飯田泰成|2026年ドラフト候補査定|糸を引く直球で試合を作る実戦派左腕

2026年ドラフト候補

関西学院大学の飯田泰成は、派手な奪三振数や150キロを連発する球速で目立つタイプではない。

今年の関西学生野球リーグには有馬伽久、宮原、米沢など即戦力級の好投手が揃っていることもあり、その中ではやや存在感が薄く見えるかもしれない。しかし、実際の投球内容まで見ると評価はかなり変わる。

万全な状態ではほとんど点を取られず、今春も病み上がりながら48イニングを投げて防御率1.66。チームとしては苦しい関学を、先発として孤軍奮闘で支えた。現時点の実力なら有馬より上、今春一気に台頭した米沢に次ぐ関西ナンバー2左腕と見ている。

最大の武器は、ゆったりしたフォームから投げ込むキレのあるストレート。140キロ前半でも数字以上に速く見え、打者を差し込める。さらにブレーキの利いたチェンジアップや緩いスラーブを組み合わせ、テンポ良く試合を作っていく。

実力だけならドラフト2位で出てもおかしくない。

ただし、飯田には高校時代から続く腰の故障歴がある。

この腰をプロがどう判断するか。それによって、ドラフトでの評価が大きく変わる投手だ。

現時点でのドラフト予想

2位~3位前後

メディカル面に大きな問題がないと判断されれば、2位指名でも妥当だと思う。

左の先発で、プロでも通用する可能性の高いストレートとチェンジアップを持ち、すでに大学野球で長いイニングをまとめる力もある。

一方で、腰の故障で高校・大学を通じて度々離脱している。再発リスクを重く見られれば、3位以降まで残る可能性もあるだろう。

実力よりも、身体の評価によって指名順位が動きやすい候補だ。

プロで想定される役割

先発ローテーション候補

いきなり一軍でバンバン投げる即戦力というより、数年後に先発ローテーションへ入っている姿を期待したい。

飯田の良さは、ストレートのキレと緩急を使いながら、悪いなりにも試合を壊さず長いイニングをまとめられることにある。

将来的には、安定してクオリティスタートを期待できる左の先発になってほしい。

※評価は記事作成時点のものです。


基本プロフィール

項目内容
選手名飯田泰成
所属関西学院大学
投打左投左打
フォームオーバースロー
適性先発◎・救援〇
最速147km/h
選手タイプ杉内俊哉
ドラフト予想2位~3位前後
キャッチフレーズ糸を引く直球で試合を作る実戦派左腕

能力査定


パワプロ風査定表

能力査定
球速147km/h
コントロールB
スタミナB

変化球

球種特徴
ストレート球速表示以上に走る、キレのある直球
スラーブ遅めで大きく曲がり、緩急を作る
Dカーブ球速が速めで縦に鋭く曲がる。空振りを狙う用途にも使う
チェンジアップブレーキが強く、真っすぐ落ちる奥行きの深い球

特殊能力

特殊能力
対ピンチC
ノビB
クイックC
回復C
ストライク先行
対左打者E
怪我しにくさF
負け運
抜け球
直球中心
テンポ○

査定のポイント

飯田は、数字だけを眺めていると評価を見誤りやすい投手だと思う。

奪三振率は並程度で、K/BBも突出しているわけではない。150キロを連発するような分かりやすい派手さもない。

それでも高く評価している理由は、万全な時の投球内容が非常に安定しているからだ。

今春は防御率1.66でリーグ6位。ただ、病み上がりながら48イニングを投げている。

まとまった自責点が付いた試合についても、飯田自身が連打や四球連発で崩れたというより、延長10回まで投げた末に残した走者を後続投手が返した形だった。

飯田自身がマウンド上で試合を壊す場面は、ほとんど見られない。

防御率1.66という数字以上に安定していたと評価している。

三振を量産しなくても点を取られない

飯田は、空振りを大量に奪って相手打線を圧倒するタイプではない。

三振も取れるが、基本はテンポ良くストライクを投げ込み、打たせて取っていく。

球数自体は決して少ない投手ではないものの、走者を出しても投球リズムが大きく変わらない。

次々とストライクを取り、気付けば5回、6回まで進んでいる。

そして相手にはほとんど点が入っていない。

この試合運びの上手さが、飯田を単なるキレ系左腕ではなく、先発投手として高く評価する理由の一つだ。

ゆったりしたフォームから突然腕が出てくる

フォームは、無理なくスムーズにゆっくり足を上げ、腕を隠しながら最後にビュッと振る。

典型的なキレ系サウスポーという印象だ。

全体に力感がなく、動きも滑らか。打者からするとタイミングを合わせやすそうに見える。

ところが、実際にはボールの出どころが見えにくい。

ゆったりした動きから想像していたよりも早くボールが手元まで来るため、ストレートの球速以上の速さにつながっている。

糸を引くストレートはプロでも通用する

飯田最大の武器はストレートだ。

キレイな糸を引くような直球で、打者の手元までお辞儀せずに伸びてくる。

140キロ前半でも、とてもその程度の球速には見えない。

ビシバシ走るキレのある球で、タイミングを合わせたように見える打者も差し込まれてファウルにしている。

最速147キロという球速も加味して、ノビはBまで評価した。

現時点でも、プロで十分に通用する可能性のあるストレートだと思う。

さらに球速が伸びれば、現在より三振を奪える投手へスケールアップする余地も残されている。

ブレーキの利いたチェンジアップ

変化球で最も印象に残るのがチェンジアップだ。

滅茶苦茶ブレーキが利いており、横方向へ逃げるというより、真っすぐ落ちていく奥行きの深いタイプ。

ストレートを意識した打者が完全に泳がされている。

右打者だけではなく、左打者への決め球として使えているのも特徴だ。

左打者が泳ぎながら空振りする場面もあり、ストレートとの速度差が非常に効いている。

杉内俊哉を選手タイプとした理由にも、このチェンジアップは大きく関係している。

速いカーブと遅いスラーブ

飯田は、曲がり方と速度の違う二つの球も使い分ける。

カーブは一般的な緩いカーブより球速が速く、やや縦気味に素早く曲がる。

ストライクを取るだけではなく、ボールゾーンへ落として空振りを取る場面もある。査定ではDカーブとしているが、役割としては縦の決め球に近い。

一方のスラーブは球速が遅く、ゆっくり大きく曲がる。

こちらはストレートとの速度差によってタイミングを外す球だ。

チェンジアップを含め、変化球それぞれに役割があり、最も良いストレートを生かすために機能している。

単純に球種が多い投手ではなく、速い球と遅い球を上手く組み合わせる投手だ。

コントロールB|まとまっているが完璧ではない

制球面は高く評価した。

基本的には低めへ投げられ、内外のコースにもしっかり投げ分けられている。

そのため、コントロールはB。

ただし、四隅へ機械のように投げ続ける精密機械タイプではない。

ストレート、変化球ともに高めへ抜ける球が散見され、四球もそれなりに出している。

それでも、余程状態が悪くない限り、四球を連発して自分から崩れる投手ではない。

飯田の強みは一球一球を完璧に投げることではなく、多少制球が乱れても悪いなりに試合を壊さないことにある。

長所

最大の長所は、球速表示以上のキレを持つストレートだ。

そこへチェンジアップ、Dカーブ、スラーブを組み合わせ、緩急を使いながら先発として試合をまとめられる。

三振を取らなければアウトにできない投手ではなく、ストライクをポンポン取りながら打たせて取る投球も可能。

状態が完璧でなくても試合を壊しにくく、長いイニングを任せられる。

派手ではない。

ただ、万全な時のピッチングは一級品だ。

課題

技術面では、時折見られる抜け球が気になる。

基本的な制球力は高いが、ストレート、変化球ともに高めへ抜ける場面があり、四球もゼロではない。

また、現状では杉内俊哉のように三振を大量に奪う投手ではない。

今後さらに球速が伸びれば投球の幅も広がるだろうが、現時点ではストライク先行で打たせて取る割合の方が高い。

ただし、飯田最大の懸念は投球そのものではない。

腰の故障歴だ。

腰の故障歴をプロがどう見るか

飯田は高校時代、大学時代ともに腰の故障で度々離脱している。

腰椎分離症という持病があるようで、今後も再発するのか、すでに問題ない状態なのかは非常に気になる。

今春は病み上がりながら48イニングを投げており、現在は先発として十分に投げられている。

一方で、その登板量によるダメージも怖い。

大学野球で一シーズン投げられたことと、プロで数年間ローテーションを守れることは別の話だ。

この部分は、外から映像を見ているだけでは判断できない。

球団側のメディカルチェックで問題なしとなれば2位でも妥当。

逆に「腰に爆弾を抱えている」と判断されれば、上位の枠を使うには一気に怖い投手になる。

それでも私は、故障のリスクを見込んで指名する価値のある投手だと思う。

万全の時のピッチングは一級品だ。

選手タイプ|杉内俊哉

選手タイプは杉内俊哉。

ゆったり足を上げる滑らかなフォームから腕を隠し、最後に鋭く振ってくる。

球速以上にストレートが走って見えることや、チェンジアップを大きな武器とする点が近い。

もちろん、現状の飯田は杉内ほど三振をバンバン奪う投手ではない。

飯田はもっとストライクをポンポン取りながら、打たせて取ることもできる。

プロでの役割

先発が本線だ。

飯田の良さは、短いイニングで全力投球して球威を上げることより、緩急を使いながら淡々と試合を作り、長いイニングをまとめることにある。

プロ入り直後から一軍ローテーションへ入るレベルとまでは見ていない。

それでも、身体さえ問題なければ数年後に先発ローテーションへ入っている可能性は高いと思う。

将来的には、年間を通して安定してクオリティスタートを期待できる左腕になってほしい。

ドラフト予想

現時点では2位~3位前後と予想する。

実力だけなら2位で出ても全くおかしくない。

左で先発ができ、プロでも使える可能性の高いストレートとチェンジアップを持つ。さらに今後のスケールアップも期待できる。

大学生左腕としてかなり魅力のある候補だ。

ただ、飯田の場合は純粋な実力評価だけでは順位を決めにくい。

腰の状態を問題なしと見る球団がどれだけあるか。

そこで評価が割れれば、実力以上に順位が下がる可能性もある。

逆に3位まで残れば、かなり順位パフォーマンスの良い指名になるかもしれない。

まとめ

飯田泰成は、派手な数字で目立つ左腕ではない。

奪三振率は並程度で、150キロを連発するわけでもない。

それでも、ゆったりしたフォームから投げ込むストレートは、140キロ前半でも球速以上に速く見える。

キレイな糸を引き、打者の手元までお辞儀せず、ビシバシ走る。

そこへブレーキの利いたチェンジアップ、速いカーブ、遅いスラーブを組み合わせ、テンポ良く試合を作っていく。

多少制球が乱れても、自分から崩れない。

派手さよりも実戦力を評価したい左腕だ。

唯一にして最大の問題は腰の故障歴。

ここさえクリアできれば、ドラフト上位で指名する価値は十分にある。

糸を引く直球で、試合を作る実戦派左腕。

目立っていないだけで、実力は今年の大学生左腕でも上位にいると思う。


動画版はこちら


コメント

タイトルとURLをコピーしました