王子に所属する柴崎聖人は、俊足・強肩・長打力を兼ね備えた右投左打の外野手である。
社会人1年目の2025年には都市対抗野球で打率.333、2本塁打を記録。王子の優勝に貢献し、新人賞にあたる若獅子賞を受賞した。前年の内容を維持できていれば、2026年ドラフトの1位候補として紹介してもおかしくない選手だったと思う。
しかし、今回確認した今季の映像では、昨年よりもスイングに力みが目立ち、三振も大幅に増加している。
それでも、足や肩といった身体能力まで失われたわけではない。
今回は、昨年なら1位候補級と見ていた柴崎がなぜ打撃を崩しているのか。そして、2026年ドラフトでどのような評価になるのかを、パワプロ風の能力査定とともに考えていく。

現時点での指名順位予想
中位指名予想(3位~5位前後)
今季の打撃内容がこのまま続くなら、上位指名は難しくなったと見ている。
一方で、2026年は野手の上位候補がそれほど多くなく、柴崎ほど足と肩のそろった外野手を中位で獲得できるなら、球団にとっては面白い指名になる。
昨年のバッティングを取り戻せれば、再び上位候補へ浮上しても不思議ではない。
現時点では、打撃の復調をどこまで信じられるかによって、球団ごとの評価が大きく分かれそうだ。
※評価は記事作成時点のものである。
基本プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 選手名 | 柴崎 聖人(しばさき まさと) |
| 所属 | 王子 |
| 背番号 | 9 |
| 生年月日 | 2002年4月4日 |
| 出身地 | 兵庫県 |
| 身長・体重 | 173cm・83kg |
| 守備位置 | 外野手 |
| 投打 | 右投左打 |
| 出身校 | 岐阜第一高校-大阪経済大学 |
| 50m走 | 5秒9 |
| 遠投 | 110m |
王子の公式プロフィールでは「走攻守3拍子そろった外野手」と紹介されている。大阪経済大学では関西六大学野球リーグ史上15人目となる通算100安打を達成し、卒業後に王子へ入社した。
能力査定

能力はアマチュア基準である。
プロ入り後のパワプロ査定を予想するものではなく、現時点での特徴が分かりやすくなるように表現している。
パワプロ風査定表
| 項目 | 査定 |
|---|---|
| 弾道 | 4 |
| ミート | C |
| パワー | B |
| 走力 | A |
| 肩力 | A |
| 守備力 | C |
| 捕球 | C |
昨年の打撃を基準にすれば、走攻守すべてに高い能力を持った外野手である。
今季の内容だけを見ると、ミートはDまで下げてもよさそうだ。しかし、昨年まで見せていた打撃技術が短期間で完全になくなったとは考えていない。
現時点では、復調への期待も含めてミートCとした。
特殊能力
| 特殊能力 | 査定意図 |
|---|---|
| 送球B | 強いだけでなく、低く伸びる送球ができる |
| 盗塁C | 高い走力を実戦でも生かせる |
| ケガしにくさC | 標準的な評価 |
| プルヒッター | 長打は引っ張り方向が中心 |
| レーザービーム | 外野からの強烈な送球 |
| 対左投手E | 左投手に対する対応には課題が残る |
| 扇風機 | 今季は空振りと三振が大幅に増加 |
| 調子極端 | 昨年と今季で打撃内容の差が大きい |
査定のポイント
今回の査定は、アマチュア基準で能力を表現している。
実際のゲーム査定を予想するものではなく、選手の特徴が分かりやすくなるように能力化している。
柴崎の評価で一番難しいのは、昨年と今季のどちらを本来の姿として見るか。
昨年は打席で余計な力が入らず、自分の間合いでボールを待てていた。
甘い球を自然に振り抜き、引っ張った打球には二桁本塁打を期待できるだけの強さがあった。
ところが今季は、ドラフトイヤーで結果を残したい気持ちが強いのか、打席で自分から仕掛けにいっているように見える。
強く振ろうとする意識が先に出てしまい、ボールを捉える前にスイングの形が崩れている。
芯に当たれば今でも打球は強い。
ただ、そこへ入るまでのタイミングを、自分で壊してしまっている状態だと思う。
能力が落ちたというより、持っている能力を打席の中で使えなくなっている。
現在の柴崎は、そのような状態に見える。
打撃評価
打撃評価:力を抜いた時の方が打球は飛ぶ
柴崎は、力任せにバットを振らなくても長打を打てる選手。
下半身から上半身へ自然に力が伝わった時には、コンパクトなスイングでも打球が伸びていく。
昨年の都市対抗では2試合連続本塁打を放ち、社会人野球の大舞台でも長打力を証明した。
一方で、今季は必要以上にバットを振り回している。
強く振ること自体が悪いわけではない。
ただ、柴崎の場合は力を加えるほど、かえって持ち味が消えているように見える。
ミートCは昨年への期待込み
今季の三振数だけで査定するなら、ミートDでも不思議ではない。
それでもCに残したのは、大阪経済大学時代にリーグ通算100安打を達成し、社会人1年目にも都市対抗で結果を残しているからだ。
元々、ボールへ当てる技術がない選手ではない。
昨年のように落ち着いてボールを呼び込み、自分の間合いでスイングできれば、打率を残しながら長打も期待できる。
完全に技術を失ったというより、現在はその技術を使える状態にないと判断した。
引っ張った時の長打力
柴崎の強い打球は、基本的にライト方向へ飛ぶ。
タイミングが合った球を迷わず引っ張った時には、173センチという体格からは想像しにくいほど打球が伸びる。
弾道4、パワーB、プルヒッターは、この引っ張り方向への長打力を表現したもの。
広角に長打を打ち分けるというより、得意なポイントへ入ってきた球を強く仕留めるタイプだと思う。
今季の空振りを扇風機で表現
今季は、ボールより空気の方をよく切っている。
昨年なら捉えていた球にもバットが届かず、明らかに空振りが増えているため、今回は扇風機を付けた。
元々の打撃能力を否定する査定ではなく、今季の状態を強く反映した特殊能力になる。
守備・走塁評価
柴崎最大の武器は強肩
打撃が注目されやすい選手だが、一番高く評価しているのは肩。
外野からの送球は低く、強く、最後まで失速しない。
単純に遠くへ投げられるだけではなく、捕球から送球へ移る動きもスムーズで、走者へプレッシャーをかけられる。
遠投110メートルという数字だけでなく、実戦でも明確に強肩を見せている。
肩力A、送球B、レーザービームは、この送球能力を表現したものだ。
センターを任せられる走力
50メートル5秒9の俊足で、センターを守れるだけの脚力がある。
落ちそうな打球でも簡単に諦めず、最後まで追いかけて捕球しようとする姿勢も好印象である。
守備力は現時点ではCとしたが、身体能力だけならそれ以上の評価を与えられる。
打球判断や捕球までの安定感が高まれば、プロでもセンターを任せられる可能性がある。
走塁でも価値を出せる
走力は単なる測定値だけではない。
二塁打を狙う判断や、相手守備へプレッシャーをかける走塁にも積極性がある。
盗塁技術をプロで明確な武器にできるかは未知数だが、代走を任せられるだけの脚力はある。
打撃が不調でも、守備と走塁で試合に出られる点は柴崎の大きな強みである。
長所
走攻守に高い身体能力を備える
柴崎の最大の魅力は、一つの能力だけに依存していないことだ。
長打を打てるだけでなく、走れて、守れて、肩も強い。
仮に打撃がすぐにプロで通用しなくても、守備や走塁から一軍での役割を作れる可能性がある。
プロでも武器になる強肩
足が速い外野手は多くいるが、柴崎はそこに明確な強肩が加わる。
センターだけでなく、強肩を生かしてライトで起用することも可能である。
外野手としての使い勝手はかなり良いだろう。
二桁本塁打を狙える長打力
昨年のバッティングを取り戻せれば、単なる守備走塁型では終わらない。
率を残しながら二桁本塁打を狙える、攻守のバランスが取れたレギュラー外野手まで期待できる。
課題
打席での力み
現在の最大の課題。
強く振ろうとするほど上半身が先に動き、ボールとの距離が合わなくなっている。
まずは結果を求めることよりも、昨年のように自然な間合いで打てる状態へ戻すことが必要だ。
三振の増加
長打を狙う打者に三振は付きもの。
ただ、今季は長打を生み出すための三振というより、打撃の形へ入れないまま終わる打席が増えている。
空振りを減らすだけではなく、どの球を、どのタイミングで仕留めるのかを整理したい。
守備の完成度
走力と肩は高く評価できるが、現時点で守備職人と呼べるほど完成されているわけではない。
プロでは、打球判断、捕球の確実性、送球までの細かい動きを磨く必要がある。
身体能力に守備技術が追いつけば、センターとしての評価はさらに高くなると思う。
プロでの役割イメージ
まずは、守備固めや代走を含めた外野の一軍要員として起用できる選手。
センターとライトを守れ、肩と足で試合に貢献できる。
打撃が現在の状態でも、守備走塁を評価する球団なら、一軍で役割を作れる可能性はある。
そして、昨年のバッティングを取り戻せれば、二桁本塁打を狙えるレギュラー外野手まで見えてくる。
本来は、中位指名で収まるような素材ではない。
球団が現在の打撃不振を一時的なものと見るか、根本的な課題と見るか。
その判断が、ドラフト順位を大きく左右しそうだ。
誰タイプ?
選手タイプは、若い頃の糸井嘉男。
走れて、肩が強く、左打ちで長打も期待できる。
走攻守に高い身体能力を生かす外野手という骨格が近い。
打撃の粗さや波まで含めると、梶谷隆幸も候補として考えた。
ただ、柴崎はあの強烈な送球まで含めて評価したい選手。
梶谷では柴崎最大の武器である肩の印象が少し弱くなるため、最終的には糸井の方がしっくりきた。
もちろん、糸井ほど規格外のスケールがあるという意味ではない。
同じ能力を持っているという比較ではなく、目指す完成形や、選手としての骨格が近いという評価になる。
まとめ
柴崎聖人は、長打力、俊足、強肩を兼ね備えた、2026年ドラフトでも貴重な外野手。
昨年の都市対抗で見せた内容だけなら、1位候補として名前が挙がっても不思議ではなかった。
一方で、今季は結果を求める意識が強すぎるのか、打席で力みが目立ち、三振も増えている。
それでも、足や肩といった身体能力は簡単には失われない。
守備と走塁だけでもプロで役割を作れる可能性があり、昨年の打撃まで戻れば、レギュラー外野手として大きな価値を持つ選手だ。
柴崎のドラフト順位を決めるのは、新しい技術を身につけられるかではないと思う。
余計な力を抜き、本来の間合いを取り戻せるか。
身体能力は本物。完全復活なるか。
秋までの打撃に注目したい。


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